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2013年5月27日 (月)

明神先生に大接近!:パウサニアス・ジャパン

5月1日(水)、古代ギリシアの同好会であるパウサニアス・ジャパンで、あの明神 聰先生がイーリアス第一書の朗読をやるというので、喜んで行ってきました!

パウサニアス・ジャパンは、朝日カルチャーセンター古典ギリシャ語中級に通う数名の方が会員になっていらっしゃって、お誘い下さったのでした。ヽ(´▽`)/

明神先生の朗読は、去年の10月に朝日カルチャーでの「ホメロス朗誦」講座以来です!
よもや、こんなに早く、あの迫力あるイーリアスが聴けるなんて!!!!(/*^^)/

18時30分から会は始まりますが、朗誦は19時からの予定なので、それまでに間に合えばいいよと言われていましたが、仕事を速攻終わらせて駆けつけましたら、何と18時30分前に到着しました!
一昨年、自宅近くだった職場が移転して、初めて良かったと思いました。

いただいた案内を見ますと、

パウサニアス・ジャパン 5月サロンのご案内
講師:明神 聰さん
テーマ:『イーリアス第1巻の朗誦と解説』

となっています。

長テーブルを四角く囲むように並べた会議室タイプの会場に、いそいそと入り、勧められるまま着席すると、まもなく始まりました。
上座には、おぉ!明神先生がおいでです。
主催する代表の方のご挨拶のあと、私を含めたゲスト参加三名が、メンバーの方々に紹介されました。

そして、まずは朗誦の前に、これから読むイーリアス第一書のあらすじなどの解説が、明神先生ご自身よりあり、その後、さっそく朗誦に入りました。

朗々とした声から生み出される、あの重々しい厳粛な雰囲気。
10月に朝日カルチャーセンターで行った朗誦の講座では、50人は入る室内でしたが、ここではその半分以下の広さ、また人数も十数人。
なんて贅沢な時間でしょうか~。lovely

この時のために、またしてもというか当然というか、私はイーリアス第一書のギリシャ語テキストと邦訳をA4用紙にプリントして持ってきていたのですが、アガメムノーンとアキレウスが言葉で激しくやり合う盛り上がりの場面、そこへ降臨するアテーナーの場面では、もうテキストなんて見ている場合ではなかったですね。

明神先生の表情、声の調子、ちょっとした身振りなど、目が離せません!
まるで、登場人物が乗り移ったかのような、あれはまさに演技であります。
先生の朗誦なさる際のその演技を見ずして、耳で聞くだけでは、明神イーリアスを知ったとは言えないでしょう。

紙にプリントされた文字だけの存在ではない、これぞまさに『生きたイーリアス』。
詩人によって歌われるそのさまは、現代によみがえる驚嘆の古代叙事詩の姿です。

悠久の時を語り継がれ遺されたイーリアスは、決して過去の風化してしまった存在ではなく、あぁ、こうやって、いつの時代にも、何度でもよみがえるのですね!
現代においても、なお力強く語りかけられるギリシャ語の響きに、感銘を受けずにはいられませんでした。

持ってきたテキスト通りの朗誦でないところも所々ありましたが、それが何でしょう。
何しろ生きたイーリアスなのですから、これもまた生きた叙事詩である証拠でありましょう。happy01

朗誦終了後、明神先生のイーリアスの解説がありました。

有名なワーグナーの歌劇、ニーベルングの指輪「ラインの黄昏」は、このイーリアス第一書を参考にしていること。
争いの場面は第一書と、他に物の具づくりの場面が第十八書に似ているということです。

そして、ホメロス叙事詩成り立ちの大いなる謎~いわゆるホメーロス問題~について、明神先生は意外な持論をお持ちでいて、熱く聞かせてくれました。
先生の持論は主に以下のようでありました。

『紀元前8世紀より言い伝えられてきたイーリアスの断片を、アレクサンダー大王が、アリストテレスに集めさせ、それら断片から編集し作り上げた』

そう推理する理由として明神先生が挙げられたのは、戦いの場面の詳細な描写や、、、
あと他にいくつかおっしゃっておられましたが、すみません、忘れてしまいました。bearing

イーリアスについては私も、はじめから一人の人が作り上げたちゃんとした話があったとは思えないので、やはり断片から一貫性をもってまとめ編集され、それがまた長い歴史の間に部分的な校訂を繰り返した結果、今の形になったとは思っておりますが。
アレクサンダー大王が、とは驚きの説です。

サロンは夜9時に閉会し、その後は皆で駅ビル上階の中華料理屋さんに場所を移し、懇親会がありました。

そこで何と、恐れ多くも私は明神先生のすぐお隣に座し、イーリアスに関するいろんなお話をたっぷりとうかがう機会に恵まれました。

アカイア軍会議以降の場面転換は、リズムが変わるので朗誦の難しいこと(朗誦するご本人ならではですね)や、お弟子さんがおいでになる話も聞きました。

もしかして二度と経験できないかも知れない、とても充実した時間を過ごさせて頂きました。
お誘い下さった方には、本当に感謝です。

今年も10月に朝日カルチャーのホメロス朗誦がありましたら、きっと参加しようと思っています。happy02
明神先生にまたお目にかかれる日を楽しみに。

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コメント

おお!ホメーロスの朗詠ですか。いいなぁ。

イーリアス、アレキサンダー大王編集説はちょっと無理があるんじゃなかいと思いますが。

さて、わたくしもホメーロスにもどってまいりました。性懲りもなく、Beginning Greek with Homerで。25ユニットのうち、最初の6ユニットを1週間で駆け抜け、今日また、オデュッセイアの第5巻に入りました。

前回は20ユニットくらいまでいって、止まってしまいました。今回は、次のコースが始まるまでになんとしても終えたいと思います。

次は10月からラテン語なんですよ…。まるっきり興味がないわけではないし、今回のコースで読んだオイディウス(英訳)が面白かったので前よりはやる気がでてるんですが、本当に読みたいのはホメーロスなので、やる気に温度差があるんですね〜。

英国では昔はグラマースクールなんかでは7歳くらいでラテン語を始め、13歳くらいからギリシア語をやったそうです。そして、大学入試には、先行が何であれラテン語とギリシア語が求められたとか。

なので、ギリシア語の本は注釈がラテン語で入ってたりするのが普通だったようです。いまでもあるのかな。

ところで、私は最近知ったのですが、イーリアスの第6巻と第22巻を英語と見開き対訳で、単語とか説明がついているテキストのPDFファイルを無料で公開している方がおられます。

高くないので私は紙版をアマゾンで購入しましたけど。

ひかるさんはもう知ってるかな?一応リンク書いておきますね。

http://geoffreysteadman.com/iliad-6-22/

青文字のタイトルをクリックするとダウンロードされます。

投稿: Pumpkinface | 2013年6月 8日 (土) 04時18分

Pumpkinfaceさま、いつもコメントありがとうございます。

ラテン語にまで手を広げようとは、相変わらず意欲的ですねー。
すごいバイタリティです。happy02

日本でもギリシア語をやってる人でラテン語も習う人も結構いらっしゃいますね。
いろんなことが判って、いいんだろうなぁ。うらやまし。

私はラテン語はもとより、実のところ英語もさっぱりで、英語の文法書・注釈書も閲覧おぼつかなく、だのに日本語のギリシア語文法書も言いまわしがムズこいので、何年やってても文法はさっぱり理解しないです。
こんな私がイーリアス原典を読んでるなんてこと自体、奇跡と思っています。

とはいえ、教えていただいたURLの、私もダウンロードしといてみようと思います。
解りづらい箇所の手引きとして、そういうの一つでも多くあった方が良いと思うので。
ありがとうございます。happy01

私の方は、4月から始まった明治学院大の読書会が毎週土曜日開催に変わったため、朝日カルチャーの講座と合わせて、毎週イーリアスを50行は予習していかないとならないので大変です。
どちらも7月いっぱいで夏休みに入るので、それまでは頑張らないと。

Pumpkinfaceさんも、応援していますので、頑張って下さい。

投稿: ヒカル | 2013年6月 9日 (日) 11時53分

ラテン語は学位コースを完了するのにそれしかオプションがないからなんですよ。以前は古典ギリシア語で初級と上級があったんですけど、ちょうど私が初級を始める前年に変更があって、上級のコースがなくなってしまったんです。単位数でいうと、二つ合わせて一単位になるのでピッタリのはずがなくなってしまったので、代わりにラテン語初級を取るしかなくなった、というわけなのです。

しかも、ラテン語のほうもギリシア語と同じく来年から変更になって上級コースはなくなるようです。改定後のギリシア語コースを取りましたが、言語自体のみでなく、英訳で文学作品や哲学などもあらねばならず、言語レベルとしては辞書などの助けを借りつつなんとか原作を読めるよレベルまで持っていくのが目的のテキストの半分くらいしかカバーしません。

しかもアティカ方言だし、テキストをすべてカバーすれば最後に少しホメーロスのギリシア語にも触れますが、初級とコースだと当然そこまでいきません。私の目的からいうと非常に中途半端。そのコースを終えてから、一応コースで使用したテキストを最後までやってみようとしたり、いろいろ試行錯誤したものの、ついに「切れて」、Beginning Greek with Homer を使い出した、というわけなんですね…。ああ、はやくイーリアスが読みたい。

でも、何ヶ月もブランクがあったのに、今回やり直ししていたら、前回より理解が早い感じです。語形変化とかはやっぱりなかなか覚えられないけど、話がわかってし、英訳も頭に入っているところがあるし、推測ができるところが増えてます。

あと、Daitz教授の朗読を何度も聞いたせいか、よく繰り返されるフレーズなどが出てくると朗唱が頭に響きます。まだごく少しですけど、これは面白い経験でした。一生懸命勉強していた時にはなかなか起こらなかった事が、ほとんど何もできない時期を経て再開した時に起こったわけで、記憶の不思議というか、こういうのも脳内で何らかの変化が起こるには時間が必要なのかもしれませんね。

投稿: Pumpkinface | 2013年6月 9日 (日) 19時50分

Pumpkinfaceさま。

朗唱が脳内に響くとは!
ギリシア語ヅケになってる証拠ですね。

24書あるイーリアスを読むのもある程度時間がかかるかと思いますので、Pumpkinfaceさんが、早く好きなことに取りかかれる日が来ますように。

投稿: ヒカル | 2013年6月11日 (火) 16時48分

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